

前回の5月の2021年度本決算発表時から更に下がりPER15.1倍と、現在のEPSに対してはほぼ下限になったと思います。
2022年3月期第1四半期業績

通期業績見込みが前年度と変わらずなので、悪くない実績だと思います。営業利益の伸びが悪いのは、売上高の伸び(7.7%)に対して売上原価の伸び(9.2%)、販管費の伸び(7.7%)となり、売上原価が売上以上に増えているからとなります。
さらに、セグメントごとに見ると教育関連の利益率の減少(45.7%→27.8%)、海外事業であるその他サービスが黒字から赤字に転落というのが、売上総利益率の悪化の原因だとわかります。教育関連は、むしろ前年の45.7%がコロナによる特需で異常でした。25%前後の利益率が標準となります。海外事業は、サービス提供強化のための人件費増加等が原因となっており、まだまだ事業として安定的な利益を出す水準になっていないのではないかと思います。
ただ、全体でみると営業利益率は16.1%であり、過去の1Q実績と比較しても遜色ありません。本業の与信管理サービスは順調に伸びており、特に利益率の高いASP・クラウドサービスはQonQでも伸び続けています。売上も順調に伸びており、株価は下がりましたが問題ない決算だったと思っています。
第2の柱であるビジネスポータルも、 利益率の高いASP・クラウドサービスがQonQで伸び続けています。好調の原因も、顧客の在宅勤務の増加等というコメントがあり、アフターコロナの仕事環境においては一過性のものではないと思います。
BPOサービスは、コールセンターのインバウンド業務が堅調に推移し、反社チェックサービス等のスポット案件を受注とあります。特に反社チェックサービスは前年度も好調であり、スポット案件ではあるものの、世の中のニーズにマッチしており今後も一定の需要が見込まれます。反社チェックデータベースなどの月額課金モデルなどスポットではないサービスを展開してくれると一層面白いのですが。
教育関連は、eラーニングサービスが前年度のコロナ特需の反落で売上利益ともに減少となりましたが、会員数は順調に伸びています。QonQでも売上が減少しているので、もう少し伸びが欲しいですがこちらもアフターコロナのニーズを捉えていける事業だと思っています。


2022年3月期業績予想

既に見た通り業績は好調だと思います。これが続いていけば、10%程度の上方修正はあるのではないかと思っています。この会社は、総資産63億に対して15億(24%)もの投資有価証券を保有しています。さらに投資対象は、上場株式だけではなく投資事業組合もあるようで、そこからの配当金や運用損益が結構出てきます。そもそもの営業利益が1.4億ほどと少ないので、配当金や運用損益が無視できず、今期は経常利益が増えました。
15億の投資有価証券と22億の現金が合計37億に加えて、中央区の本社土地5.7億(簿価)を時価評価すると多額の資産があり、負債は2億程度しかありません。時価総額が65億円なので、中央区の土地の時価を考えるとネットキャッシュ倍率も小さく、バリュー株としての側面もあります。
株主としてはこの余剰資金を成長投資やM&Aに振り向けてほしいのですが、むしろ買収対象になるほうが現実的かもしれません。
第7次中期経営計画(2021年度~2023年度)
リスモンチャンネルという独自媒体にて中期経営計画が説明されていました。資料の公開はないので画面キャプチャを貼り付けますが、正直内容が・・・。具体的数値目標もなければ、各事業においての具体的な施策もなしでこれでいいのかという感じです。
そもそもリスモンって現社長である藤本氏が日商岩井から立ち上げた会社で一応創業社長なのですね。取締役構成を見ても、藤本氏と創業時に日商岩井から来ている堀氏以外は全て社外取締役で、堀氏もすでに78歳!ということで、藤本氏のワンマン体制な気がします。
それにしては、あまり貪欲な成長という方向性は見えず、サラリーマン経営者のような計画で心配になってきます。





コメント