
2021年12月期第3四半期業績

公募増資を発表して株価が乱高下しているエネチェンジですが、事業は好調だと思っています。まあ、そもそもエネチェンジは”今の”業績で考えていては、とてもではないけど買えない株価がついています。今の事業が好調かどうかではなくて、同社が描く数年先の未来を信じれるかどうかが購入判断の基準になると思っています。
エネルギープラットフォーム事業
この事業は、今の業績を見るべき事業だと思っています。一番のポイントは新規ユーザー獲得のためのパートナー数だと思っており、ここは順調に増えています。市場シェアを見てみると、市場全体では引き続き新電力シェアが増えており、マクロ感は問題ありません。一方、法人向けの同社のシェアが1.8%程度で停滞気味に見えます。市場全体は伸びているため、数としては増えているのでしょうが市場の増加以上には増えていないことがわかります。一方、家庭向けは引き続きシェアを伸ばしており、こちらに注力していることがわかります。




エネルギーデータ事業
エネルギーデータ事業はまだまだこれからの事業です。その大きな理由として、販売できるサービスの拡充が今後も続くことがあげられます。その中でも顧客数は順調に増えており、特に2021年に入ってからは大きな伸びを見せています。一方で、顧客サービス開始時期別ストック型収益の推移を見てみると、2017年のサービス開始時から導入している顧客からの売上は、導入年以後も順調増やしていますが、それ以外の顧客はあまり導入年以後は増えていないことがわかります。
これは2種類の意味があり、①当初から導入している顧客はエネチェンジをいろいろな形で使っていること、②新規導入サービスがあまり増えていないこと、があると思います。①については、顧客との関係性を強化し所謂クロスセルを増やしていくしか方法はありませんが、②についてはこれから楽しみなサービスの開始を次々にアナウンスしています。


2021年12月期業績予想


通期業績については、修正予想が発表されオーベラス社のM&A費用などでマイナスとなります。ただ、何度も言う通り、同社については数年後の未来を信じられるかなのでここら辺を見ていきたいと思います。直近のトピックで、大きく業績に寄与しそうなのはオーベラス社のM&AとEV充電サービスの開始です。それぞれ、決算説明会の質疑応答を読めばよくわかりますが、オーベラス社については純粋な買収に伴う売上利益の増加が見込まれること、更なるM&Aも狙っていることが回答されています。
EV充電サービスについては、さらに具体的で当初は1万件で年10億円、将来的には10万件で年100億円のサービスを狙っているということです。さらに、ビジネスモデルとしては、ハードは数社からの調達でソフトを内製化すること。EV充電サービスの競合にはソフトを販売することで、競合をも一部取り込むことを考えているようです。さらに、EV充電機械の設備投資負担についてはリース会社と組むことで、少なくともキャッシュ負担は同社に掛からないようにするという計画のようで、スケール化の面でもよく考えられていると思います。
なお、同社は毎回、かなり詳細な質疑応答議事録を公開してくれていまして、同社の事業の理解にとても役立つ内容になっています。



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