

PER40倍まで下がってきました。コロナ前は20倍から30倍のレンジだったのが、コロナ後は40倍〜60倍になってきています。このPERレンジが今後も許容されるのであれば、利益成長のおかげでPERは下限まで下がったと言えると思います。
2021年3月期業績

文句のつけようがない実績と今期見込みです。会社からの説明としては、以下の通りです。利益の伸びが低い理由についても、コロナショックによるものということがわかります。同社のビジネスは、引き受けた債務保証を自社で抱えるのではなく投資家などにさらに引き受けてもらいます。そのため、顧客からもらう保証料率と投資家に払う支払保証料率の差が利益になります。コロナショックにより、顧客からもらう保証料率の引き上げより、投資家に支払う保証料率の引き上げが上回ったということになります。
売上高については、保証サービスの利用者数増加及び保証料率の引き上げにより大幅増収となった(前年同期比20.8%増加)。一方で、上期において倒産件数の増加を想定して支払保証料率の大幅な引き上げを実施した結果、売総率が低下し、経常利益は前年同期比13.0%増加となった。
決算説明資料

2020年上期は保証債務金残高は減っていますが、下期に一気に伸びています。これについても理由は明確で、上期は一時的に引き受けを制限したこと、下期からはコロナショックの影響の見極めができたことから引き受けを元に戻し、さらに新商品を開発したということで、素晴らしいリスク管理と攻勢です。
上期は、新型コロナウイルス感染症の影響による今後の倒産件数の増加に備え、既存契約についてあらかじめ契約内容を見直し、高額のリスクについては引受けを制限してリスク分散及びポートフォリオの再構築を図った。下期は、新型コロナウイルス感染症の影響について一定の見極めができるようになったことから、引受基準を通常に戻しつつ、顧客ニーズの高まりに合わせた新商品を開発・提供した。その結果、通期では保証残高が大幅に増加した。
決算説明資料
2021年第4四半期単独の業績

コロナ前に比べて営業利益率が戻っていませんが、売り上げの伸びは素晴らしく、状況が落ち着いて利益率が元に戻ったらさらに素晴らしいことになりそうです。しかし、四半期ごとに伸びていく売り上げと利益、素晴らしいですね。
2022年3月期業績予想


いわゆる数字の説明としては決算説明資料記載の内容で十分でしょう。22年3月期のトピックとしては、以前の四季報持ち株チェックの際に取り上げたZUU Onlineでのインタビューから楽しみな二つがあります。
一つは、少し小口化してネット上での申し込みや、小さな規模の契約でもサービス利用をより簡単にできるようにすることです。これらが実現できれば、数万単位で顧客の拡大が見込めるということで大きな成長余地です。
二つ目は、蓄積している企業情報をビックデータとしてデータ解析による新商品を22年3月期にリリース予定としています。インタビューの中で、企業自体の実在確認(企業が実在するかどうかの確認)や社員構成、その社員がやっていることをチェックしたり、認証ビジネスへも拡大できると語っており、かなり楽しみな部分で、ここが具体的に見えてきたら時価総額が何倍になるのかすごく楽しみな部分です。
なお、このインタビューでは5年後、10年後として今の10倍、20倍を目指していると語っており、この社長の展望に付き合っていきたいと思っています。
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