オプション取引方法

オプション

前々から興味があった米国株のオプション取引を始めようと思っています。メインの運用は、日本小型割安成長株への長期投資なのですが、投資手法の複線化をずっと検討してきました。といっても、資産クラスを分けるだけでは暴落時には同じ結果になるので、複線化とは言えないと考えています。また、不動産投資については、成功すれば素晴らしい複線化ですが、そのハードルが高く、以下の記事での検証の結果、普通にやるのだったらそこまでの魅力がないと思いました。

複線化の一つとして考えているのは、既にテスト運用をしているトラリピですが、さらにオプション取引をテスト運用してみたいと考えています。

取引方法

オプション取引にも様々な手法がありますが、使うのは基本中の基本の2種類だけです。

キャッシュ・セキュアード・プット(CSP:Cash Secured Put)

購入現金を保有した状態で行うプットの売りです。プット(売る権利)を売っているので、プットを買った人が権利を行使した場合、必ずその価格で対象資産を買う必要があります。同じ対象資産を買う取引ですが、コールを買う場合と違うのはコールの買いは対象資産が権利行使価格より下がったら権利を行使しないことで買うことを回避できます。ですが、プットの売りは権利行使するか否かは相手方に選択権があるので、相手方がプットの権利行使(=権利行使価格で売る)した場合、必ずその価格で買わなければいけません。その代わりに、プットを売った時点で売却代金が手に入ります。つまり、プットの売りをした場合、権利行使をされるのは実際の株価が権利行使価格より下回った場合です。

コールの買い(権利行使価格100ドルのコールを買った場合)
  1. 権利を行使するか否かの選択権を持つ代わりに、オプション購入代金を支払う。
  2. 実際の株価が110ドルになったら、権利を行使することで100ドルの価格で手に入る。最初に払ったオプション購入代金+100ドルが当該株式(時価110ドル)の購入コスト。
  3. 実際の株価が90ドルになったら、権利を放棄しマーケットで90ドルで買うことができる。最初に払ったオプション購入代金+90ドルが当該株式(時価90ドル)の購入コスト。
CSP:プットの売り(権利行使価格100ドルのプットを売った場合)
  1. 買い手が権利を行使した場合、必ず購入する必要があるかわりに、オプション売却代金を受領できる。
  2. 実際の株価が110ドルになったら、相手は権利を行使しない。なぜなら、相手方は100ドルで売る権利を持っているが、マーケットで110ドルで売った方がいいから。この場合は、当該株式は手に入らないが、最初のオプション売却代金のみ手に入る。
  3. 実際の株価が90ドルになったら、相手は権利を行使して100ドルで当該株価を売却する。こちらは、100ドルで買わなければいけない。この場合は、100ドル-最初にもらったオプション売却代金が当該株価(時価90ドル)の購入コスト。

ということで、原資産を購入できる現金を持った状態でプットを売ることで、株価が下落しない場合はオプション売却代金を手に入れ、下落したら原資産を購入するというのがこの取引です。原資産を購入する場合は、必ずマーケットの価格は購入価格以上に下がっているので購入後すぐに含み損になる取引です。

購入後はCCW(Covered Call Writing)に移行するので、基本的には長期的に上がる銘柄を選ぶことが重要になります。

カバードコール(CCW:Covered Call Writing)

キャッシュ・セキュアード・プットよりも直感的にわかりやすい取引だと思います。保有株のコールを売る取引です。コールを売るので、権利を行使された場合、権利行使価格で対象資産を売却する必要があります。もし、対象資産を持っていない場合は、マーケットの時価で調達して権利行使価格で売却する必要があるのですが、保有していればその保有株を権利行使価格で手放すだけとなります。

権利行使価格100ドルのコールを売った場合
  1. 買い手が権利を行使した場合、対象資産を100ドルで売る必要があるかわりに、コールオプション売却代金が手に入る。
  2. 実際の価格が110ドルになった場合、相手は権利を行使して100ドルで対象資産を手に入れる。こちらは、110ドルの株を100ドルで売らなければいけないが、90ドルで買った株を持っている場合、その株を100ドルで渡すことができる。この場合、10ドル(100ドル-90ドル)+オプション売却代金が利益。
  3. 実際の株価が90ドルになった場合、相手はマーケットで90ドルで買った方が安いので権利を行使しない。こちらは、90ドルの持ち株とオプション売却代金が手に入る。

CCWは、株価が上がらなければこの流れを何回も繰り返すことになる。ただし、持ち株の買値が90ドルの場合は、権利行使価格を90ドル以下に設定してしまうとトータルでマイナスになるので注意する必要がある。

取引の流れ

  • 株価が右肩上がりの場合:CSPのみを繰り返し、プット売却代金のみを稼ぐことになる
  • 株価がボックスの場合:タイミングによるが、下がって上がっての場合は、CSPから始まりCCW②までつながる。
  • 株価が右肩下がりの場合:株式を保有したまま、CCW①を繰り返すことになる。含み損となる。

注意点

右肩下がりとなる原資産を避ける必要がある。

取引の流れで見た通り、唯一、原資産が売却できず資金拘束が発生するのが株価が右肩下がりの場合。これもCCW①を繰り返すことで多少の損益改善になるが、購入価格以下でのCCWは損切りに繋がりかねず苦しいため、できるだけ避ける。

つまりは、個別株ではなくSPYやQQQなどのインデックスで繰り返すのがいいと思っている。

十分な証拠金が必要

CSPを成立させるためには、原資産を購入ができる十分な資金が必要となる。通常のオプション取引の特徴であるレバレッジは使用しない。

目標利益

これは、オプションのオーソドックスな取引方法で、同様の方法を実際に実行しその成果を公表している方がいます。それによると、大体、オプションの期限は2週間程度、利益率は月間1%ということです。私も、これに従い期限2週間程度のSPYのオプションを取引し、月間1%を目標にしたいと思います。

また、最終的には原資産を売却するため、長期保有をしたい株とは相性が良くないと思います。あくまで、オプションはオプションとして取引していきたいと思っています。

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