カバードコールとローリング戦略

オプション

先月からオプション取引のキャッシュセキュアードプットを始めて1カ月が過ぎ、初めての権利行使日を月曜日に迎えます。SPYの権利行使価格が404ドルということで、権利が行使されることはなさそうですが、今後、キャッシュカバードコールに移った時にローリング戦略も使うためまとめてみました。

ちなみに基本的なキャッシュセキュアードプットとカバードコールの取引戦略は以下の記事でまとめています。

ローリングアウト

ローリングアウトは、権利行使日前日に権利行使価格に近いATMにある場合、時間的価値はほぼなくプレミアムも極小さいことから先に買戻しをすることです。そうすることで、権利行使価格以上に株価が上昇し株式を手放すことを避けることができます。本来であれば、同時に満期日が翌日以降のコールを新たに売り建てるようですが、ここでは一旦取引を手仕舞いするとしています。

権利行使日に株価が最初のコールの権利行使価格より下だった場合は、単に権利行使日を待つよりも買い戻す分だけ利益が減りますが、翌日の権利行使日に権利が行使され株価を手放すリスクがなくなります。

ローリングアップ&アウト

株価が上昇基調で権利行使1週間前にITMにある時、コールを買い戻し新たなコール(権利行使されないくらい上の株価)を売り建てます。新たなコールは1カ月先とすることが普通のようですが、ここでは最初のコールと同じ満期日ということで1週間先のコールを売り建てることとします。

ITMにあるコールを買い戻すため、最初にコールを売り建てたより多いプレミアムを払い、かつ1週間後のOTMのコールは低いプレミアムが予想されるためプレミアムだけではマイナスになることが考えられます。ただし、株価が上がればそのまま保有した株式の含み益が増えるということで資産全体で見たらプラスな取引ということになります。

つまり、上の表で行くと株価が最終的に下がってしまうCCW+Rolling Up①のケースは損失となりますが、株価が騰がる②のケースではプラスとなる見込みです。但し、前述のRolling UpをしないCCW②のケースと比較する必要があり、株式自体の確定益の上昇分が買い戻しのプレミアムの支払いを上回らない限りただのCCWの方が利益が高いということになります。

株価が下がるケースであっても、コールの買戻し+新たなコールの売り立ては合計プレミアムがマイナスであり、余計なことはしない方がいいということになります。

株式を売りたくない場合は、多少のプレミアムを払ってローリングをするのですがある程度、マーケットの先読みが必要になると言えます。

ローリングダウン&アウト

ローリングアップ&アウトとは逆で1週間前に株価が下がっているときに高いコールを買い戻し、もう少し低い価格でのコールを売り建てることです。このケースでは上記のローリングアップとは異なり、コールの買戻しと新たなコールの売り建てでプレミアムはプラスとなるため、とりあえずやる価値はあります。

ただし、仮に残り1週間で株価が上がり権利行使された場合は、古いコールと新しいコールの権利行使価格の差額と余計にもらったプレミアムの比較となり、恐らくローリングダウンをしなければよかったということになります。

まとめ

ちょっと雑な内容になっているのでまとめたいと思います。

  • ローリングアウトはデメリットがほとんどありません。1日前にITMに限りなく近づいたOTMの場合はとりあえずローリングアウトをしてけばいいと思います。
  • ローリングアップのデメリットは1週間前に買い戻し+新規売り建ての取引でプレミアムを支払うということです。ですが、よっぽど株価が下がらない限りは利益は増えるということになり、株式が売却されないという点で2のケースがベストケースだと考えています。
    1. 株価が最初のコールより下の場合:【権利行使されない】ローリングアップをした分だけ利益が減る。
    2. 株価が最初のコールより上だが、2回目のコールより下の場合:【権利行使されない】株価-1回目のコールの価格が1週間前の買戻し+売り建てのプレミアムの支払いを上回っていれば、含み益だが利益は多くなる。恐らく、普通は利益は多くなる。
    3. 株価が2回目のコールより上の場合:【権利行使される】権利行使されて株式は売却されるが、利益は一番多くなる。
  • ローリングダウンのデメリットは、株価が予想に反して上がり権利行使されてしまった場合、ローリングダウンをしない方が高く株式を売却できたということです。ただ、1週間前に買い戻し+新規売り建ての取引で余計にプレミアムを貰うことができます。
    1. 株価が最初のコールより上の場合:【権利行使される】1週間前に買い戻し+新規売り建ての取引で余計にもらったプレミアム分だけ利益が増えるが、本来であれば最初のコールの株価で売却できていたので、最初のコールと2回目のコールの差額が損失となる。
    2. 株価が最初のコールより下だが、2回目のコールより上の場合:【権利行使される】1週間前に買い戻し+新規売り建ての取引で余計にもらったプレミアム分だけ利益が増えるが、本来であれば売却せずに済んだので、最終日の株価-2回目のコールの差額が損失となる。
    3. 株価が2回目のコールより下の場合:【権利行使されない】権利行使されないので、1週間前に買い戻し+新規売り建ての取引で余計にもらったプレミアム分だけ利益が増える。

ローリングアップとローリングダウンは、労多くして功少なしという状況になりかねません。ただ、株価の上昇についていくという点では、ローリングアップは考えていった方がいいように思います。リスクがあまりないローリングアウトは積極的に使っていきたいと思います。

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