1月末に2021年3月期の業績予想の修正を行いPERが一気に下がりました。その後、株価は堅調でしたが5/7の期末決算で2022年3月期業績を減益としたため、株価が一気に下がったのにも関わらずPERは同じ水準となっています。
2021年3月期業績
2021年3月期の業績は素晴らしいものでした。売上の構成としては、福祉用具レンタルと介護食品や介護関連生活必需品の物販などの高齢者生活支援サービスがあります。残念ながら内訳の開示がないのですが、営業利益の増加要因のところで、両事業が順調に伸びているのがわかります。また、レンタル資産についても毎期、一定数を継続的に増やしているのがわかり在庫評価損の可能性なども少なそうです。
2021年第4四半期単独の業績
四半期ごとの業績を見てみると、売上の伸びは素晴らしいものがあります。特に昨年10月に一気に上がっているのですが、決算説明会で理由について言及があり、コロナ化で在宅介護が増えたことによる在宅での福祉用具レンタルニーズの増加ということで、一過性ではなく継続的な増加が期待できそうです。
一方で、利益がさえません。2021年度は第1四半期をピークに下がり続ける一方です。原因としては、1Q、2Qの通常より高い売上総利益率、1Q~3Qの通常より低い一般管理費があるようで、これがコロナ等による一過性の場合は、2022年度は同等の利益率は望めないかもしれません。
2022年3月期業績予想
増収減益予想となりました。営業利益率の推移をみてみると、2019年12.0%、2020年11.3%、2021年12.4%、2022年11.1%と、そこまで低いようには思えません。前述した通り2021年度がやや特殊な年であったと言えそうです。ただ、引き続き売り上げは好調ですし、利益の減は原因がはっきりしており、この程度の業績は確実に見込むことが出来そうです。
株価的にはこの減益予想で下がりましたので、この業績をキープできる限りはこれ以上の下げはなさそうです。そういう意味で、株価は上方向には伸びるけど、下方向は限定的だと考えています。
日本ケアサプライは兎に角開示情報が少なすぎるので、中々分析するのが難しいのですが今年度のポイントとしては、以下の点があると思います。
- ALSOKとの資本業務提携を活かした両社の販売拠点網や顧客基盤の活用
- 介護食品や介護関連生活必需品のECサイトの物流コストの削減
- 拠点の新規開設による都市部の需要増加に対応と拠点大型化(移設)による倉庫作業の効率化
正直どれも手堅い内容で三菱商事のバックアップを受けて淡々と事業を推進していけば失敗することがなさそうな課題です。
更に、そもそもコロナ化で在宅介護が増えたことによる在宅での福祉用具レンタルニーズの増加という継続トレンドとなりそうなマーケット全体のニーズの増加があり、さらに毎月マーケット全体の増を上回る成長(シェアの拡大)も続けています。
マーケット全体が増加しその中でシェアの拡大を続けており、経営課題も改善が可能な手堅い物ばかりということで、今後も安定的に業績を伸ばしていってほしいと思っています。
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