FIRE後の法人化(マイクロ法人)に際しての経費計上方法(経営セーフティ共済、中退共、企業型DC/DBなどの比較)

FIRE

FIRE後はマイクロ法人を活用したいと思っています。株式取引を法人でやるほどの資産はないのですが、いくつかの以下の理由から資産管理法人的に使いたいと思っています。

  • FX(トラリピ)とオプション取引を運用の柱の一つとしてやっていきたい
  • 住民税非課税世帯を維持したい
  • 厚生年金と協会けんぽに加入して社会保障費をミニマムにしたい

経営セーフティ共済、中退共、小規模共済、個人型確定拠出年金(iDeCo)の比較

特に中小企業の従業員を対象とした様々な退職金積立制度があります。大きく会社が拠出するのか、従業員が拠出するのかに分かれます。経営セーフティ共済・中退共は会社が拠出、小規模共済・iDeCoは個人が拠出します。

この違いなどでいくつかポイントがあるのですが、基本的には経営セーフティ共済と中退共は必ず加入。小規模共済は、役員の収入面で所得控除を使う意味があるのであれば加入だと思います。iDeCoは後述する企業型DC or DBの方がいいので加入はしなくていいと思っています。

会社の損金となるのか、個人の所得控除となるのか

事業主が掛け金を負担する経営セーフティ共済と中退共は会社の損金、個人口座から引き落とされる小規模共済とiDeCoは個人の所得控除となります。この違いはかなり大きく、会社の法人税と個人の住民税非課税世帯等の公的サポートの有無にかかわってきます。

特に住民税非課税世帯の計算はややこしく、所得割も均等割りも非課税となる計算のベースは「合計所得金額」、所得割が非課税となる計算のベースは「総所得金額等」となり、いずれも所得控除前となります。そのため、どれだけ小規模共済やiDeCoで所得控除を増やしても判定には意味がありません。

解約時の掛金の扱い

経営セーフティ共済は40カ月以上の解約、中退共はいつでも退職したら元本割れはしません。小規模共済は、色々なパターンがありますが65歳以上での受給を念頭に置かれた制度です。iDeCoはそもそも60歳未満での受取りはできません。

経営セーフティ共済は受取時は、企業の益金となるので赤字が出た年に受取り赤字にぶつける形で税金を支払わないのが理想となります。また、掛金合計の上限が800万円となっています。

加入資格

経営セーフティ共済は企業単位での加入ですが、中退共は役員の場合は加入できません。ただ、従業員であれば厚生年金被保険者でなくても加入できるので使い勝手がいい制度です。小規模共済は、役員の未加入できます。

掛金の支払い方法

経営セーフティ共済、中退共も1年分の前納ができます。そのため、利益が出ることが確定した場合、そこから先1年分までの前納を使って経費を前倒し計上することができます。

企業型確定拠出年金(DC)、企業型確定給付年金(DB)の比較

企業型確定拠出年金と確定給付年金は大企業用の制度かと思いきや、既存のサービスを使うことで中小企業でも簡単に導入ができます。

企業型DCは多少コストがかかるのですが、月5.5万円(年66万円)を企業の損金にできるため例え加入者が一人であっても法人税上のメリットがあります。企業型DBは経費は安いのですが、掛金上限が給与の20%となっています。社会保障費をミニマムにすることを考えると月額給与は9.3万円が心地いいと思っており、これだと年間22万円程度にしかなりません。この差は結構大きく、たとえ経費を多く払っても企業型DCの方が法人税とコストの合計が安くなります。

さらに、DBと併用もできるのですが、併用後のDCの上限は2.75万円となるにも関わらずコストは変わりませんので、私の場合は意味がありません。月額給与を高く設定しDBの掛け金を高くできる場合は、併用もしくはDBのみを検討してもいいと思います。

どれくらい損金として計上できるのか

  • 中退共:36万円
  • 企業型DC掛金:66万円
  • 企業型DC経費:7.5万円
  • 経営セーフティ共済:80万円(任意の額。10年間の支払いとした。)

このように使える制度を全部使うと、年間で約190万円ほどの損金が作れます。しかも企業型DC経費の7.5万円を除いた182万円は貯金と同じであり、最終的には手元に戻ってくるお金です。

しかも、自分と家族へ給与を払うことでそれぞれの給与所得控除も間接的に利用できます。

給与1人分100万円+190万円の利益を生み出せるのであれば、マイクロ法人化はとても有効な手段だと思います。

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