2022年7月期第1四半期業績
前年同期比でみるとかなり悪い数値となっています。理由としては、新規プロジェクトの数が多いため数値が上がってこないが通期では問題ないという説明です。今期から進行基準が適用されているはずなので、新規プロジェクトは最初のころは売上利益に中々反映されないのでよくわかるのですが、せめて受注状況を出してほしいものです。一応、指数ということでは発表されていますが正確な数値がわかりません。
システムソリューション事業
売上が低水準なのはネガティブですが、利益率が高まっているのはポジティブだと思います。また、利益率向上の要因としても、①営業・開発SE一体体制による案件精度の向上、②新パッケージ投入と機能強化、オプション充実、③Cross-Over戦略による他社との差別化、④開発フェーズごとの多段階契約による手戻りの減少と、かなり戦略によるものであることがわかり一過性のものではないと考えることができます。
受注状況についても、指数ということですが2021年1Q比で見ても12%増と好調であることはわかります。売上水準が2Q以降で回復してこないとだめですが、資料をみるだけであればそこまで心配しなくてもいいのではと思います。
Webソリューション事業
売上が前年同期比18%増に対して、売上総利益は6%と低調でした。理由としては、開発強化による一時的な下落とあります。これも理由がはっきりしており、一過性のものと考えられることからそこまでネガティブではないでしょう。受注も前年同期比で17%増とこちらも好調です。
2022年7月期業績予想
通期業績予想に修正はありません。進捗率でみると売上が22%、営業利益が17%ということですが2019年も同じような状況から、通期では上方修正が入るところまできました。ただ、その時も2Qの時点では盛り返していたので、次の半期決算は重要となります。
同社がストックと呼称している内訳をみてみると、アラジンオフィス1,953百万円、CROSS事業838百万円とまだまだアラジンオフィスの保守料が大半を占めています。確かにクロスモールのWebソリューション事業も成長率は高いのですが、アラジンオフィスの新規受注をしない限りはストックビジネスも増えていかないことになります。ストック構成イメージというグラフをそのまま見ると、将来的にはアラジンオフィス保守料が50%となるくらいまで他を育てたい感じですが、当分先でしょう。
中小企業のDXニーズは大企業より遅れてくるはずであり、大企業ですら道半ばな状況を見ていると中小企業のDX化というのは始まったばかりだと思っています。同社の商材はシステムパッケージ化されており、顧客に合わせて開発をしていくようなスタイルよりもコストが抑えられることで中小企業のニーズに沿っており、かつ開発人員がボトルネックになりにくいという点でビジネスとしても有利だと思っています。同社は、中小企業のDXの本命だと考えており、業績と株価のボラが大きい企業ですが我慢して持ち続けたいと思っています。
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