最近の株価の下落と好決算の結果、PER16.3倍とかなり下限まで落ちてきた感があります。もう少しでコロナショック時の水準まで下がることになります。企業のDXの推進に特化したITコンサルタントという立ち位置、業界のポジショニングからも、人員次第ですがしばらくは業績は伸びていくと思っています。
2021年3月期業績
好調だとは思いますが、売上の伸びに比べ利益の伸びが低い結果になりました。
損益計算書を詳しく見てみると、売上総利益率は昨年35.7%、今年35.5%とそこまで変わりません。営業利益率が15.1%から6.4%まで落ちているのは一般管理費が原因ということがわかります。主要な一般管理費の売り上げに占める割合を見てみると以下のようになります。
細かく見てみると、売上原価の売上比率は変わっていないのですが、一般管理費が1%近く増えています。その中でも、採用費・賞与・研究開発費の伸びが大きいのがわかります。これが原因で営業利益率が20.85%から19.70%にダウンし、売上が伸びたほど利益が伸びなかったということです。採用費の増については、本文中でも言及があり昨年度末比34名増員(12%増)ということなので、成長のためには必要だと思います。
主要顧客は変わらず前田建設工業とみずほ証券であり、売上に占める割合は2社で23%となります。
2020年第4四半期単独の業績
四半期ごとの業績も確認してみます。ULSグループは企業のIT投資に左右されるため季節性があり、役所や多くの企業の年度末となる1月~3月の売上が多くなります。一方で、会社側が費用を多く計上するのか利益率も明らかに低くなります。
2021年1月~3月を見てみると、前年同期比で売上14.5%増、営業利益19.2%増と全く問題ない決算でした。一応、営業利益率も前年同期比でみると改善しています。
アークウェイの買収
2020年度末と2021年度末の企業集団の状況を並べましたが、ピースミールテクノロジーのシェアが56.1%から77.8%に上がっているほか、アークウェイという会社を買収しています。ピースミールは少数株主であった個人株主の一人から買い増しています。アークウェイは、個人の創業者からの買い取りで売上も利益も大きくありません。業績に与える影響は小さそうです。
2022年3月期業績予想
何といってもサプライズは、増収増益の見込みを出してきたことです。毎年、減収減益の見込みを出してその度に株価は暴落するということを繰り返してきたのですが、今期は増収増益増配です。増配幅も1円とか細かくなく一気に10%近く上げてきました。決算前の株価も減収減益予想を見込んでか、かなり軟調だったので月曜日は一気に上げてくれることを願っています。
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