2021年夏号四季報の持ち株チェック(1407, 2393, 3768, 3798, 3854)

個別銘柄分析

1407 ウエストHD

産業用請負が自家発電型取り込み順調。中古発電所再生物件が貢献。中古メガソーラー再生第1号ファンド(50億円規模)設立。

2021年夏号四季報

四季報の業績予想は、2021年8月期は会社予想よりだいぶ強気(売上は2%増、利益は20%増)ですが2022年8月期は微増(売上7%増、利益10%増)にとどまっています。これでも十分だと思いますが、今の株価は相当な業績が見込まれていると思っていますので、四季報の業績予想を達成したとしてもプラスにはならないと思っています。むしろ、来期予想がこの通り微増となった場合は、かなりの下落も覚悟する必要があるかもしれません。

ただ、卒FIT後として中古メガソーラーであったり、企業との直接契約による売電などいろいろな施策を出してきています。農協や地方銀行と提携して営業販売するなど、営業戦略も筋がいいと思っています。FITがなくなった以上、今度は如何に電力の売り先を確保していくかだと思いますので、この方針は的をえていると考えています。また、世界のトレンドとして脱炭酸で大手企業は次々と再生可能エネルギー100%にするという目標を発表しています。業界全体は間違いなく伸びていくはずですので、短期的な株価の動きは無視して保有を継続しようと思っています。今の3倍の時価総額5,000億円くらいまでは達してほしいものです。

2393 日本ケアサプライ

福祉用具レンタルは、新型コロナにより在宅向けの引き合いが強い。EC販売も利用率向上。ケアマネ向けオンラインセミナー。食事サービスは中小施設・病院向け注力。

2021年夏号四季報

今期予想は会社予想は増収減益予想でしたが、四季報では増収増益予想となってます。増益といっても2020年3月期と同水準ということだと思います。減益予想は保守的で、同水準というのが四季報の見立てのようです。

昨日シルバーライフの個人投資家向け説明会を聞きましたが、高齢者向け事業ということで創業から増収が続いているということです。不況などは感じたことがないと。そして、今後30年くらいはこの傾向が続くと考えているということでした。日本ケアサプライも今後市場は大きくなっていく一方であり、むしろ需要の増に供給が追い付かないことの方があり得るのではないでしょうか。

三菱商事とALSOKという筋のいい大企業の後ろ盾もあり、目新しいことをやらなくても既存事業を手堅く成長させ、周辺事業に進出をしていくだけで相当な成長が望めると思います。

3768 リスクモンスター

テレワーク浸透でグループウェア堅調。反社チェックサービス高水準。本社改装費剥落。eラーニングの新規開拓や利用率向上。中国でも社員研修サービス開始。

2021年夏号四季報

会社予想は前年同数値でしたが、四季報は5%程度の増収増益、2023年3月期も5%程度の増収増益となっています。毎年5%程度の成長は継続できるということなのでしょう。私も、今期の同数値という予想は保守的過ぎると思っています。

本業の与信管理に加えて社員研修サービスが次の柱に育とうとしています。他社の社員教育サービスと比べて強みがどこにあるのかは判然としませんが、会社規模も小さいのでしばらくは業績の伸長は続くのではないかと思っています。規模をどんどん大きくしていけるビジネスモデルではありませんが、堅実に成長しさらに中国市場への投資が実ると面白いと思っています。時価総額も72億円と小さいので、長期で考えている企業となります。

3798 ULSグループ

企業のDX対応が追い風。既存顧客(金融、建設、製造、サービス業)が続伸の上、新規顧客からの引き合いも強い。AWS利用企業対象のシステム内製化支援の枠組みに参加。

2021年夏号四季報

ここはいつもかなり保守的な業績予想を出すことで有名で毎回減収減益予想でした。それが今季は、売上7%増、利益13%増の増収増益予想を会社予想として出してきました。そのため、株価も右肩上がりで上がっています。四季報予想もさすがに今期は会社予想と同一でした。来期予想として10%弱の増収増益としています。

コロナによる企業のDX対応が進んだということは間違いなく、この動きは進むことがあっても後退することはないと思います。さらに、会社の仕組みなどに入り込む抜本的な問題なので数年で何とかなる問題でもありません。今後、継続していくテーマでしょう。そういう意味で、引き合いはこのまま強いままが継続していくと思っています。むしろ、この引き合いに対応できる人材の確保が問題でしょう。ITコンサルは人員リソースが売上のリミットとなるため、成長は如何に人材を確保できるかにかかています。

今のところは人材補強もうまくいっているようであり、テーマも長期であることから長期で保有を継続できる会社だと思っています。

3854 アイル

課金型のネットショップの一元管理など好採算のストック事業は好調。EC導入率低い中堅・中小企業の開拓に意欲。22年7月期は収益認識基準適用で売上、営業益とも目減り。

2021年夏号四季報

21年7月期は会社予想より四季報予想は強気です。今期は特需の反動で減収減益ということでしたが、結果的には売り上げは増収、利益は前期と変わらない水準となりそうです。特需を除いて同程度の数字をキープできたということは、かなり本業が好調ということで、22年7月期も売上7%増、利益12%増の予想です。収益認識基準適用で目減り後の数値でしょうから、引き続き好調だということがわかります。

Hameeというアイルと同様のネットショップの一元管理サービスを提供している企業がありますが、Hameeは決算期が4月であり22年4月期の業績予想を発表しています。これが、アイルのCrossモール事業の業績予想を考えるのに役立ちます。Hameeの業績予想は次の通りでした。会社全体としては、売上13.2%増、営業利益3.2%増に留まり、株価も軟調に推移しています。コマースもプラットフォームも利益の伸びが芳しくないのですが、アイルに関係があるのはプラットフォームの方になります。プラットフォームは、21年4月期がコロナ特需なのか驚異的な伸びを見せていると言え、22年4月期も10%程度の伸びが維持できています。

アイルは、そもそもの四季報予想が10%程度の伸びなので、Hameeの業績から悲観的になる必要はないのではと思っています。

20年4月期21年4月期22年4月期
売上コマース9,2099,726
(5.6%)
10,550
(8.5%)
プラットフォーム1,8552,308
(24.4%)
2,750
(19.2%)
新規事業268329
(22.9%)
700
(112.8%)
利益コマース2,1992,498
(13.7%)
2,550
(2.1%)
プラットフォーム586954
(63.0%)
1,050
(10.1%)
新規事業▲179▲273▲250

アイルの長期的な見方については、中小企業のDXを推進するという点でULSと同様になります。ただ、アイルはある程度はパッケージ化しているため、ULSほど人員の採用がボトルネックとはならないと思っています。アイルも長期で持っていたい企業です。

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