2021年夏号四季報の持ち株チェック(6050, 6078, 7600, 8771, 9639)

個別銘柄分析

6050 イーガーディアン

ウェブ監視とネット広告の動画チェック需要が想定超。動画チェック需要は来期も継続。育成中のセキュリティ対策製品が伸びる。サイバーセキュリティ対策でWebアプリ向けファイアウォールの製品拡充。月額課金による業容拡大。

2021年夏号四季報

21年12月期は四季報予想は会社予想と同値としています。会社予想は上方修正があったばかりであり、妥当な数値だと思います。22年12月期は売上13%増、利益7%増と、例年通りの成長を見込んでいます。

個々の成長ドライバーは何といっても動画チェックでしょう。動画広告は増々伸びるはずで、ここもマーケットの拡大を業績の成長に取り込めるパターンとなります。さらに、セキュリティ部門も買収後確実に業績を伸ばしており、さらに月額課金モデルを採用して今後の安定成長が期待できます。流行り廃りが激しい業界だと思いますが、筋のいいところを攻めていると思います。

6078 バリューHR

新設健保運営業務受注が拡大。大阪支社にBPOセンター開設、関西地区健保の運営を支援。健保結果入力にAI-OCR導入し処理を効率化。

2021年夏号四季報

21年12月期は会社と四季報予想は同値、22年12月期の四季報予想は10%程度の成長と巡航速度という感じです。

健康保険組合経営と健康診断業務委託を核として、病気になる前段階の健康と予防をビジネスにしています。この分野もこれから高齢化社会が進んでいくにつれ、重要視されてくると思いますがうまくビジネスになるかが問題です。社長は、健康ポータルサイトとして個人の健康情報を一元管理する仕組みをつくるというのを構想として掲げていますがマネタイズと仕組みづくりは簡単ではないと思います。ただ、これからの日本の社会では必要とされるサービスでしょう。そういう意味で長い目で見ていきたいと思っています。

直近の施策としては、特定健康診断向けのオンライン診療、特殊健康診断管理システムの開発、コロナワクチンの職域接種の運営代行など、健康診断関連でのサービスを次々にサービスインしています。構想は大きく、実行は小さく確実にということで非常に安心できます。

7600 日本エム・ディ・エム

主力の人工関節は、後半にかけ米国急回復の見込み。自社製品比率向上し粗利率上向く。米国子会社核に海外販売拡大へ布石。豪州で薬事承認取得に注力。中国合弁で人工関節製品の製造開始準備推進、24年にも現地承認取得し販売開始目指す。

2021年夏号四季報

22年3月期の四季報予想は会社予想と同値、23年3月期の四季報予想は10%程度の増とこれも巡航速度での成長を見込んでいます。

21年3月期の業績の落ち込みは、コロナウイルスにより人工関節手術が後回しにされたことという原因がはっきりしています。そしてこの需要はなくなるものではなく、コロナ後に後回しにされていたものであり、コロナが収まれば急回復が見込めます。また、日本や中国は高齢化、米国は肥満などにより人工関節の需要というのは今後も伸びていくと考えられます。これまでは日本と米国のマーケットに注力していましたが、中国マーケットへの参入を本格化させました。これは、合弁パートナーを変えて現地の事情に合わせて取り組んでいるものであり本気度がうかがえます。豪州は、まだ様子見のようですが、これまでの自社製品の開発で代理店から製造メーカーへの脱皮の第1ステージから、自社製品をもとに世界の市場に打って出る第2ステージの準備のように思えます。

確実に世界でマーケットが伸びる分野であり、この会社も長期で保有できる銘柄だと思っています。

8771 イーギャランティ

保証ニーズ拡大続く。保証料率上昇基調。リスク移転費用との利ザヤが改善。地銀経由での中堅企業へのアプローチに加え、大手証券から大手顧客の紹介が本格化。新入社員中心に営業陣容を大幅拡充、教育体制も整備図る。

2021年夏号四季報

22年3月期の四季報予想は会社予想と同値、23年3月期の四季報予想は10%程度の増とこれも巡航速度での成長を見込んでいます。

コロナショックでも感じましたが、この会社は不況でも好況でも世界経済が混乱してもしなくても需要があるビジネスだということです。さらに、引き受けたリスクは別の投資家に売却しているため、最終的に倒産リスクを負いません。非常によくできたビジネスモデルです。これまではリスク計算の負担などから比較的大きな債権のみ引き受けていたらしいですが、今後は小型債権であっても引き受けができるような仕組みも整えていく上に、これまでに蓄積した企業の信用情報を活用したサービスもリリースするということで増々目が離せません。

ここも長期保有です。

9639 三協フロンテア

建設・インフラ関連工事向け仮設ハウスが増勢。本建築はコロナ新常態で新たな用途需要開拓が寄与。増産と並行で展示場販売網を拡充。組立工場が岐阜に下期竣工し東海地区深耕。神戸に本建築展示場を開設、関西圏の販売体制拡充。

2021年夏号四季報

22年3月期の四季報予想は会社予想と同値、23年3月期の四季報予想は5%程度の増とこれも巡航速度での成長を見込んでいます。

ここは、ハウスを本建築でさらにお洒落な事務所や店舗として使えるという新たな用途を提案したのが素晴らしいと考えています。これ自体はコロナ前からやっており、安く早く移転がしやすいということで中小企業や個人事業の需要の開拓に成功していました。これにコロナが加わり、サテライトオフィスや郊外型オフィスの需要でさらに問い合わせが伸びています。

今期はこの需要増に対応するために工場の増設、営業ツールである展示場の新設とさらに投資を活発化させています。

この本建築の需要は一過性とは思えず、新たなマーケットの開拓だと思っており、息の長い成長が続いていくのではと期待しています。

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