6078 バリューHRの2021年12月期第3四半期決算レビュー

バリューHR 個別銘柄分析

2021年12月期第3四半期業績

前年比でみると好業績なのですが、前年がコロナの影響で悪かったので、通期の進捗率でみると予定通りとなっています。ただ、3Q単体で見ると一般管理費率が過去最低の21%まで下がり、営業利益率が22.2%まで上がってきました。例年、4Qの数値が一番いいことを考えると、営業利益で1億くらいの上積みはあるのではないかと思っています。

バリューカフェテリア事業

4半期単独の売上利益が、前年同期比でも前期比ベースでも素晴らしい伸び率でした。売上の伸びもいいのですが、素晴らしいのは営業利益の伸びです。決算説明資料には記載がないのですが、営業利益率が34.1%と向上したことにより、四半期の営業利益としては初の4億円越えを達成しています。

この理由は、前回まで決算説明資料に記載があった、AI-OCRによる生産性向上だと考えられます。その記載によると、効率が2倍になるということでした。この3Qは7~9月ということで、恐らく完全にはこの効率化の恩恵は受けていないと思います。完全に効率化の恩恵が受けれる4Qがさらに楽しみですし、今後の更なる効率化も期待が持てます。今回のAI-OCRはまずはやってみるというニュアンスが強かったと思っているので、有効性が確認出来たら、同社の様々な場面で有効活用方法が出てくると思っています。

このように、利益率に大きなインパクトを及ぼす事象の前に購入して、このインパクトが株価に織り込まれるのを待つというのは長期投資の醍醐味だと思っています。

HRマネジメント事業

一方で、健保組合の新設サポートと運営アウトソーシングであるこちらのビジネスは、あまり利益率がよくありません。特に、今期は来期以降の受注増に備えた人員増ということで経費が先行しているようです。もともと、ここでサポートした健保組合の健診関連を、さらにバリューカフェテリア事業で受注するというクロスセル目的もある上、売上利益もバリューカフェテリアの3分の1以下となっているのでそこまでインパクトはありません。

むしろ、こちらでの受注増は確実に、バリューカフェテリアの営業機会と受注機会の増につながるためポジティブな要因だと考えています。

2021年12月期業績予想

進捗率からみても上方修正は出てこないかと思いますが、バリューカフェテリアの利益率がさらに向上すると、売上はそのままで利益のみ計画をかなり上回ることもあるのではないかと期待しています。さらに、来年度は通年で業務効率化の影響がでてくるため、来年度の業績予想も期待できるのではないかと思っています。

バリュエーションとしても最近は株価が上がっていますが、利益率が向上してEPSが増えるだけで、今の株価レンジから次の株価レンジに移っていくと思っているので、期待をしています。

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