その後、再検証した結果、違う結論となっています。こちらの記事をお読みください。
永遠に答えの出ない賃貸VS購入論争ですが、一つの回答としては持ち家の住宅ローンの与信を使って収益物件を購入し収益物件からのCFで賃貸物件に住むというのは合理的だとは思います。ただ、ここには問題があって、前回の記事でも検討しましたがいい物件を掴まない限り不動産投資自体が失敗に終わるリスクがあるという点です。
そこで、今回は私が取り組んでいる株式投資とトラリピを使って比較してみたいと思います。
検討の前提
- 物件価格3,000万円、頭金10%、購入時諸費用8.0%
- 修繕費+管理費3万円/月、固定資産税1.5万円/年、保険3.0万/年
- 売却価格2,500万円(10年後)、2,000万円(20年後)、売却時諸費用3.5%
- 住宅ローン1.23%(フラット35)、返済期間35年、毎月返済金額79,145円
- 10年後住宅ローン残高2,043万円、20年後住宅ローン残高1,300万円
- 家賃15万円/月、更新料15万円/2年
- トラリピ期待利回り10%、税率10%(法人化スキーム活用)
- 株式投資期待配当利回り3%、増配率3%、税率5%(配当控除活用)
費用の比較
購入(10年) | 購入(20年) | 賃貸(10年) | 賃貸(20年) | ||
頭金 | 300万 | 300万 | 家賃 | 1,800万 | 3,600万 |
購入時諸費用 | 240万 | 240万 | 更新料 | 75万 | 150万 |
住宅ローン | 953万 | 1,899万 | |||
修繕費+管理費 | 360万 | 720万 | |||
固定資産税 | 15万 | 30万 | |||
保険 | 30万 | 60万 | |||
売却時手残り | ▲457万 | ▲700万 | |||
売却時諸費用 | 88万 | 70万 | |||
合計 | 1,529万 | 2,619万 | 合計 | 1,875万 | 3,750万 |
頭金と購入時諸費用の運用収益
さて、単純な費用の積み上げでは購入の方が安いという結論になりました。ですが、この中には初期投資額540万円を運用した場合の収益が考慮されていません。持っていても現金で置いておく人は別ですが、運用に回す場合はその運用益を賃貸のコストから引く必要があります。
期待利回りから期待運用収益を出してみましょう。元手は、頭金と購入時諸費用の540万円となり、株式投資とトラリピの条件は以下の通りです。
- 株式投資:配当利回り3%の株に配当再投資かつ増配3%、税率10%
- トラリピ:利回り10%で複利運用、税率10%
10年間 | 20年間 | |
賃貸と購入差額 | ▲346万 | ▲1,131万 |
株式投資 | 205万 | 604万 |
トラリピ | 738万 | 2,486万 |
ということで、もう賃貸+トラリピでいいんじゃないかという結果ですが、株式も補足すると値上り益が加味されていません。賃貸と購入の差額を埋めるためには、元本540万円を10年間で141万円、20年間で527万円増やせばいいわけです。年平均成長率でみると10年2.4%、20年3.8%です。
株式投資をやっている人なら、期待利回りが低すぎるというのではないでしょうか?ちなみにトラリピに追いつくためには、年平均成長率は10年7.1%、20年7.8%です。これも十分達成可能な目標に思えます。
結論??
不動産投資を検討した記事でも述べましたが、基本的に不動産というものは値上りをしないと割りが合いません。当たり前ですが、レバレッジをかけて投資をしているので物件価値が値下がりしたらそのインパクトはでかいわけです。ということで、米国などの諸外国と異なり長期的に不動産価格の下落が避けられない日本においては、余程いい物件を手に入れないと割りに合わないと思います。
ただ、住む家というのはお金では比較できない判断材料もあります。上記の家賃は同じ地域で分譲賃貸を借りる場合の家賃なので、基本的には購入と同グレードという前提にしていますが、それでもリフォームをする場合等と比較したら満足度という点において勝てるはずもありません。
私の結論は、住宅は贅沢費であり十分なお金があるのであれば、効率が悪いことを理解した上で買ってもいいのではないかと思っています。
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